□2:るりはこべ
"Pimpernel"
デザイン:ウィリアム・モリス
1876年
木版、色刷り
製作社:モリス商会
1875年3月、ウィリアム・モリスはモリス商会を再出発さる。
前身のモリス・マーシャル・フォークナー商会の時代から商会マネージャーのウォリントン・テイラーの勧めで廉価な単色刷りを行っていたが、彼の没後、モリスは初期のような多色刷りを再開した。《るりはこべ》もその一つで、全体的な色合いに加え、大きなうねりを持った構成は、同年にデザインした《アフリカン・マリーゴールド》や1874年デザインの《アカンサス》に共通していると言われている。
本作では小さく可憐なるりはこべの花が力強い葉の中で存在感を放ち、自然に対するモリスのあたたかな視線を感じることができる。
1878年にモリス一家がターナム・グリーンのホリントン・ハウスからハマスミスのケルムスコット・ハウスに移り住むと、《るりはこべ》はダイニングルームの壁紙として使用された。
出典:https://www.william-morris.jp/works/wallpaper-pimpernel.html