はじめに

□はじめに
・環境づくりをしてきた学園の歴史、その一連の流れの中に今回のトイレの改修があります。今迄様々な改修を行ってきましたが、今回、教職員、来客用のトイレの改修を行う計画を立てました。
環境に配慮した節水、節電タイプの設備機器の導入をメインとした改修です。今夏はそのプロトタイプとして1号館の来客用トイレの改修を行いました。
鷗友学園の校舎はコンクリート打放しのモダニズム建築の影響を受けた建築ですが、その源流でもある、芸術運動アーツ・アンド・クラフツ運動を創出したウィリアム・モリスの作品をテーマに、アートを盛り込んだ改修も行いました。


□学園の環境づくり
・SDGs 世界的規模で人間のサステナブルな環境づくりを目指すのは大きな流れの中でありますが、その中で、学校というのはどういう意味があるかということを考えた時、これまで行われてきた20世紀的な考え方は、どちらかと言えば、沢山のことを専門的に教え、それを学ぶというのが主流の考え方だったと思います。今もその様な考え方の学校が多いかもしれません。典型的なのが、〇〇大学に何人合格したということにも繋がるのですが、本学園はその様なスタンスは取っておりません。さらに言うと〇〇大学に何人入学させるということ事を目指すのではなく、一人一人が自分にとってやりたいものを模索し、社会の為に尽くすには何をどうしたらいいのかを考えられるところ、その中で進路決定していく。それをサポートし、アシストしていくところが学校なのです。

・教え込むということよりも、環境をつくり、生徒達がその環境の中で、何を学ぶかを自分で考え、行動する、自律(自立)或いは、自創(自想)できる子ども達を育て行く、その様な大きな流れが鷗友学園にはあります。

・鷗友学園では生徒が学んでいきたいと思う環境づくりが大きいウェイトを占め、それを支えてくださった先生方、保護者の方々がいらっしゃいました。これがこれまでの大きな流れだと思っています。これを生徒達も理解し、元々田んぼだった学園の敷地に対して、生徒一人一人が草木を持ち寄って今のグリーンベルトを作ってきた、まさに一木一草運動です。今でも鴎友学園では毎年5月に植樹祭を開催し、中学1年生が一クラス一本ずつ木を植えています。昨年は、カツラの木を植えました。カツラの木、孼(ひこばえ)を含め、1000年、3000年にもなるそうです。

□何故、ウィリアム・モリスか?

・本学校舎の建築デザインは、モダニズム建築の影響を大きく受けた日本を代表する設計事務所である日建設計の設計による建物ですが、その建築デザインのルーツ、モダンデザインの源流であるアーツ・アンド・クラフツ運動を牽引したウィリアム・モリス作品の展示を行いました。
自然をモチーフとしながら、当時の工業化の進展とともに失われつつあった、中世の手仕事を復活させ、生活と芸術を統一させることを目指した、作品を通じて、その時代背景、世界史の転換点、近代の出発点と言われる産業革命を探りつつ、「温故知新」(故きを温(たず)ねて、新しきを知る)故事になぞらえ、コンピューターの登場による第三次産業革命から、さらに高度に進化した四次産業革命と言われる時代に向かう今、ウィリアム・モリスの作品を通じて、一人一人が感じ、思い、考える一つのきっかけになればと願っています。

                           鷗友学園理事長 清水哲雄
                             (2023年11月吉日)

 

 

 

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