作品_3


□3:柳の枝
"Willow Bough"
デザイン:ウィリアム・モリス
1887年
木版、色刷り
製作社:モリス商会

1871年6月、モリスはダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti, 1828-1882)とともにコッツウォルズ地方へ足を伸ばし、ケルムスコット村の端に佇む「ケルムスコット・マナー(Kelmscott Manor)」を賃借した。
ケルムスコット・マナーのほとりにはテムズ川の小さな支流が流れており、素朴な自然が残る周囲の環境はモリスにとってのデザイン・ソースとなる。
本作の制作に関して娘のメイ(May Morris, 1862-1938)は、モリスがケルムスコット・マナーで熱心に柳を観察していたことを、次のように書き残してる。
「ある日、私たちはテムズ川に合流する近くの小川に沿って歩いていました。父は葉のフォルムの細部や多彩な様態を指しておりました。その後まもなく、この壁紙が制作されたのです。我が家の柳を鋭く観察した結果から描かれており、ロンドンの多くのリビングルームを緑の葉で囲まれたようにしたものです。」
上方へと枝葉を伸ばす、生き生きとした柳の姿をとらえた本作は、モリス商会を代表するデザインの一つとして知られている。

出典:https://www.william-morris.jp/works/textile-willow-bough.html